
またまたお母さん方によく聞かれる事に、
「家では、電子ピアノしか用意できないんですけど、それでもいいですか?」
という質問があります。
私はもちろんいいですよ、とお返事をしています。
住宅事情や、転勤や、はたまたどれくらい続けるか分からない・・などそれぞれの家庭の都合がありますので、そう考えると、電子ピアノはお手軽だと思います。
音量も調整できるし、動かすのも楽チンですしね。
ただ、ピアノと電子ピアノは同じ鍵盤は付いているけれど、全く別の楽器です。
例えるなら、硬式テニスのラケットと、バトミントンのラケットの違いみたいなものかなあ・・。あんまり上手い例えじゃないかな。
音を出す仕組みが違いますから。タッチや音色などまで追求した練習になったら、電子ピアノでの練習は厳しくなるけど・・というのはお伝えしたいと思います。
なので、もしお家にピアノを置いてもいいようなスペースがあるなら、思いきってピアノを用意することをお勧めします。
長く続くかな〜とご心配ならレンタルとか、値段が・・とお悩みなら中古とか、最近ではピアノを手に入れるのも結構簡単にできますよ☆
写真は私がこどもの頃に買ってもらったアップライトピアノ。今も教室に置いてあります。
私の両親は全く音楽の知識がなく、ただ女の子、というだけで私にピアノを習わせたんですが、たまたま習いに行った先生が
「ピアノも持ってないのに習えませんよ。」
なんて言う方だったので(ひと昔前の先生ですよね。)慌てて両親が買ってくれました。
試弾に行く訳でもなく、適当にカタログから一番安いのを・・。両親はピアノがあればそれだけで贅沢、という考えだったんですよね。
でも、今にして思えばとても感謝してます。
狭い社宅でしたので、兄の勉強机の隣にピアノを置いて、いつも兄と喧嘩したりふざけたりしながら弾いていました。勉強している兄には大迷惑だったでしょうね。
私だって、兄が邪魔で気になって迷惑でしたが・・。
あの頃の懐かしい思い出がいっぱいのピアノ。
グランドピアノを買った時も、手放せませんでした。
調律師さんには
「明るい音のするいいピアノですね。」
といつも褒めて頂きます。
そうだろうな〜これをがむしゃらに弾いていた頃。弾きながら兄を足でけったり、兄にふざけて茶化されたり、しまいに母に怒られたりしながらこのピアノを弾いていた時は、本当に幸せで楽しかったから。
教室ではグランドを使ってレッスンしていますが、時々ふと
「先生〜今日はこっちのピアノで弾きたい。」
なんて言い出す子がいます。
私は、私の楽しい思い出が伝わるといいな〜なんて思いながら、
「いいよ〜じゃあそうしようか。」
と言って蓋を開けてあげます。
私がもらった愛情を、また誰かに分けてあげられる、なんて思ったり。何とも言えない幸福感で、胸がいっぱいになりながら・・。
そんな風にピアノって、ただの道具や楽器、というだけではない、お子さんにとっての人生の宝物になるかもしれませんよ♪